キシリトールは天然由来の甘味料で、シラカバやカシなどの木を原料として、主にフィンランドで生産されています。身近なところでは、イチゴやラズベリーなどの果物、レタスやホウレンソウ、カリフラワーなどの野菜にも含まれています。また、人の体内でも肝臓によって1日に5~15gほど作られている成分です。その安全性はWHOにも認められており、安心して利用できる甘味料とされています。
家族の健康を、
これからも。
家族の健康を、
これからも。
できるだけ「削らない・抜かない」を大切に、
予防・矯正・精密治療で
「歯とそこから始まる健康」を守ります。
予防歯科
目次
以前の日本の歯科医療は、むし歯や歯周病になってから治療することが中心でした。しかし、この10数年で日本の歯科医療は大きく変わってきています。高齢化が進むなかで、歯や口腔の健康を維持することが、生涯の健康を支えるうえで重要であることが分かってきました。
特に歯周病は、糖尿病をはじめ、さまざまな全身疾患との関連が報告されています。また、自分の歯で食べることや、噛む・飲み込む・話すといった口腔機能を保つことは、高齢期の健康や生活の質を維持するうえでも重要です。
こうした背景から、国の歯科医療政策も、「悪くなった歯を治療する」ことだけでなく、むし歯や歯周病を予防し、重症化を防ぎ、健康な状態を長く維持する方向へ変わってきました。
2010年代以降は、歯科の保険制度でも、むし歯や歯周病の重症化予防や継続的な管理が徐々に評価されるようになっています。実際、日本でも80歳になって20本以上自分の歯を残している人は大きく増えてきました。しかし、歯が残るようになったからこそ、これからさらに重要になることがあります。それは、「歯を残すこと」だけではなく、「残った歯を健康な状態で守り続けること」です。
当院では、患者さん一人ひとりのむし歯や歯周病のリスクを調べ、必要な治療を行い、その後も継続して健康を守っていくMTM(メディカル・トリートメント・モデル)を軸とした診療を行っています。
熊本市南区の歯医者「けやき通り歯科・矯正歯科」が目指しているのは、「悪くなったら治療する歯科医院」から「生涯、自分の歯と健康を守るために通う歯科医院」へ。という歯科医療です。
当院の予防歯科の原点の一つに、フィンランドやスウェーデンなど、むし歯予防・歯周病予防に早くから取り組んできた北欧の歯科医療があります。北欧では早くから、悪くなった歯を治療するだけでなく、病気になる原因やリスクを調べ、予防し、健康な状態を長く維持するという考え方が大切にされてきました。
当院では、この考え方を実際の診療に取り入れるため、院長や歯科衛生士が現地へ赴き研修を行ってきました。
そこで学んだ考え方は、現在の当院のMTMを軸とした予防中心の診療にもつながっています。日本の歯科医療が予防・重症化予防を重視する方向へ大きく変化する以前から、当院では北欧の歯科医療に学び、「悪くなってから治す」のではなく、「悪くならないように守り続ける」という歯科医療を目指してきました。
これからも、科学的根拠に基づいた予防と継続管理を通して、患者さんが生涯にわたって自分の歯で食べ、話し、笑えることを支えていきたいと考えています。
食べ物を細かく咬み砕くことで、消化器官への負担を和らげ、食物の栄養を効率よく吸収するのを助けます。しっかりと咬むことは、健康な身体を維持するための第一歩です。
歯ざわりや歯ごたえといった食感は、食事の満足度や美味しさを大きく左右します。歯を失うと、これらの感覚が損なわれ、食事の楽しみが半減してしまいます。
食事中に混入した骨や砂利などの硬い異物を感知し、それらを咬み砕いたり飲み込んだりするのを防ぎます。これは身体を守る重要な防御機能です。
歯が正しく並び、上下の顎が適切な位置にあることで、息のもれ方や舌の位置が安定します。これにより、滑舌良く、正しい発音で会話をすることが可能になります。
きれいに整った歯並びや白い歯は、清潔感のある美しい印象を与えます。自信を持って笑顔になれることは、精神的な健康にもつながります。
スポーツをする際などに奥歯を強く食いしばることで、瞬間的な力を発揮し、体幹の安定や全身のバランスを保つことができます。歯の健康は、運動能力にも深く関わっています。
多くの方が年齢を重ねるうちに歯を失ってしまう原因は、日本で長らく続いてきた「症状が出てから治療する」の考え方にあります。一度治療した歯は、以下のような負の連鎖を招き、最終的にすべての歯を失うリスクを高めてしまうのです。
STEP
01
STEP
02
STEP
03
STEP
04
STEP
05
STEP
06
STEP
07
STEP
08
STEP
09
STEP
10
STEP
11
STEP
12
STEP
13
STEP
14
STEP
15
この負の連鎖を断ち切る唯一の方法は、まずむし歯や歯周病にならないよう、初期段階で徹底した予防に取り組むことです。
「歯が痛くなってから歯医者に行く」という考え方をお持ちの方も多いかもしれません。しかし、むし歯や歯周病は初期の段階では自覚症状がほとんどないことが多く、気づいたときにはすでに進行しているケースも少なくありません。歯がズキズキするといったような症状が出た時点では、治療が必要な状態になっていることも多いです。
病気が進んでから治療を行う場合、どうしても処置の範囲が大きくなり、歯を削る量が増えたり、外科的な治療が必要になったりすることもあります。その結果、歯や歯ぐきへの負担が大きくなり、歯の寿命にも影響が出ます。
こうしたリスクを減らすために大切なのが、定期検診と予防処置です。歯科医院で定期的にチェックを受けることで、自覚症状がない段階でもむし歯や歯周病の兆候を早めに見つけることができます。早期に対応することで、歯への負担をできるだけ抑えた治療につながることもあります。
また、PMTCやフッ素塗布などの予防処置を継続的に行うことで、むし歯や歯周病が起こりにくいお口の環境づくりにも役立ちます。歯の健康を長く保つためには、悪くなってから治すだけでなく、悪くならないように守るという考え方が大切です。定期的な検診と予防ケアを取り入れることで、大切な歯を守ることにつながります。
むし歯や歯周病は、原因や発症の仕組みがある程度わかっている病気です。そのため、定期検診やプロフェッショナルケアを受けることで、発症のリスクを減らすことにつながります。歯科医師や歯科衛生士が状態を確認し、ブラッシング方法や生活習慣についてアドバイスを行うことで、お口の環境が良くなります。
定期検診によってお口の状態をチェックしておくことで、もしトラブルがあっても早い段階で対応しやすくなります。早期に治療できれば処置の範囲も小さくなることが多く、結果として治療費の負担を抑えられる場合があります。
むし歯や歯周病が進行すると、治療に時間がかかることがあります。しかし早期に発見できれば、比較的短時間の処置で対応できることも多く、通院回数や時間の負担を減らすことにつながります。
定期的なメインテナンスを続けることで、ご自身の歯をできるだけ長く保つことにつながります。年齢を重ねても自分の歯で食事を楽しめることは、生活の質(QOL)を保つうえでも大切です。
当院では、患者さん一人ひとりに歯科衛生士が継続して担当する担当歯科衛生士制を導入しています。毎回同じ歯科衛生士がケアを行うことで、お口の状態を継続的に確認でき、ちょっとした変化にも気づきやすくなるのが特長です。初診時からお口の状態を把握し、生活習慣やお手入れの状況なども含めて確認しながら、その方に合ったケアやアドバイスを行います。小さな変化の段階で気づくことができれば、むし歯や歯周病の予防にもつながります。
また、毎回同じ担当者が対応することで、患者さんとの信頼関係も築きやすくなり、日頃の疑問やお悩みも気軽にご相談いただけます。患者さんのお口の状態やリスクに合わせたケアを継続して行うことで、無理なく予防を続けていただける環境づくりを大切にしています。
当院では、治療だけでなく、お口の健康を長く守るためのサポートにも力を入れています。患者さんと一緒に、お口の健康づくりを続けていける歯科医院でありたいと考えています。
POINT
ホワイトバーニッシュFは、高濃度のフッ化ナトリウムを配合した塗布タイプの予防材で、知覚過敏を抑える医薬品としても使用されています。歯の表面に塗ることで歯質を強化し、むし歯になりにくい状態をつくることを目的としたケアの一つです。
ホワイトバーニッシュFは、むし歯予防や知覚過敏のケアとして幅広く使用されています。
歯を溶かす酸に対する抵抗力を高め、再石灰化を促します。
露出した象牙質の表面をコーティングし、冷たいものなどの刺激が神経へ伝わりにくくなることで、知覚過敏の症状を和らげる効果が期待できます。
一般的な歯みがき粉(約950~1,500ppm)や歯科医院で行うフッ素塗布(約9,000ppm)と比べて、22,600ppmと高濃度のフッ素が配合されています。これにより歯の表面を強化し、酸に負けにくい歯質づくりをサポートします。
1歳のお子さんから大人の方まで使用でき、妊娠中の方にも使用されることがあります。歯の表面に塗布する方法のため、身体への負担が少ないケアです。
歯科医院でのメインテナンスの際に、3ヶ月に1回程度のペースで塗布することで、予防効果が維持しやすくなります。日頃の歯みがきや定期検診と組み合わせることで、お口の健康を守るサポートになります。
当院では、お口の健康を長く保つために、3ヶ月~6ヶ月ごとの定期検診をご案内しています。定期的にチェックを受けることで、むし歯や歯周病を早い段階で見つけやすくなり、歯や歯ぐきへの負担をできるだけ抑えた治療につなげることができます。また、専門的なクリーニングやメインテナンスを行うことで、お口の中を清潔な状態に保つことにも役立ちます。年齢を重ねても自分の歯で食事を楽しめることは、日々の生活の大きな喜びの一つです。将来のお口の健康のためにも、定期的なメインテナンスを取り入れてみてはいかがでしょうか。
キシリトールはガムやタブレットなどでよく知られている甘味料ですが、その安全性や性質、なぜむし歯予防に役立つのかといった点については、あまり詳しく知られていないこともあります。そこで、キシリトールについてよくあるご質問をまとめました。
キシリトールは天然由来の甘味料で、シラカバやカシなどの木を原料として、主にフィンランドで生産されています。身近なところでは、イチゴやラズベリーなどの果物、レタスやホウレンソウ、カリフラワーなどの野菜にも含まれています。また、人の体内でも肝臓によって1日に5~15gほど作られている成分です。その安全性はWHOにも認められており、安心して利用できる甘味料とされています。
簡単にいうと、ある程度の量を継続して摂ることで、むし歯菌の働きを弱めると考えられています。むし歯は、砂糖などの糖分をミュータンス菌が分解して酸を作り、その酸によって歯のエナメル質が溶けることで起こります。一方、キシリトールはミュータンス菌によって分解されないため、むし歯の原因となる酸がほとんど作られません。
さらに、グルカンを作るタイプのミュータンス菌は、菌体内にキシリトールを取り込むことでエネルギーを消耗し、活動が弱まると考えられています。その結果、歯垢が付きにくくなり、むし歯のリスクを減らすことにつながるとされています。
効果的とされる目安は、1日5~10gです。当院で取り扱っている製品の場合、ガムであれば4個~5個、タブレットであれば10粒ほどが目安になります。食事やおやつの後に摂るようにすると、より効果的とされています。
キシリトールは、少量を回数多く摂ることが大切です。
3ヶ月ほど続けることで、歯垢がさらさらになってきます。
ブラッシングは必ず必要です。キシリトールを摂ることで歯垢が落ちやすくなることはありますが、歯みがきが不要になるわけではありません。毎日のブラッシングと併用することで、より効果的にむし歯予防につながります。
必ずしもそうとは限りません。キシリトールの含有量が重要になります。フィンランドでは、キシリトールを50%以上含む製品がむし歯予防に効果的とされています。しかし日本では「キシリトール入り」と表示されていても、水あめや砂糖など、むし歯の原因となる材料が含まれている製品もあります。そのため、製品を選ぶ際には成分表示を確認することが大切です。
キシリトールは消化されにくい性質があり、一度に多く摂取するとお腹がゆるくなることがあります。これは腸内の水分量が増えることによって起こるもので、一時的なものです。もし気になる場合は、摂取量を調整するようにしてください。
むし歯菌(ミュータンス菌)は、多くの場合、母親から子どもへ感染すると考えられています。特に生後19か月から31か月頃は感染の窓と呼ばれ、むし歯菌が定着しやすい時期とされています。この時期に母親がキシリトールを摂取することで、子どもへの菌の感染を減らす可能性があることが研究で報告されています。
なお、ここで大切なのは、乳児がキシリトールを摂取するのではなく、母親がキシリトールガムなどを摂取することです。ユリビエスカで行われた研究では、母親が出産3か月後から2年間、1日2回~3回キシリトールガムを摂取した場合、子どもへのミュータンス菌感染率が大きく低下したと報告されています。
キシリトール製品の選び方や取り入れ方について詳しく知りたい方は、けやき通り歯科・矯正歯科スタッフまでお気軽にご相談ください。ご自身に合った続けやすい方法をご案内いたします。
参考文献
『知っておきたいキシリトール 科学的根拠と効果的使用法』
カウコ K. マキネン著
村松いづみ訳 日本大学歯学部教授 鈴木章監訳(オーラルケア)
『ミュータンスコントロール キシリトールの可能性と応用』
日本フィンランドむし歯予防研究会編(オーラルケア)
『子育て歯科』
倉治ななえ著(デンタルフォーラム社)
『埼玉県歯科医師会 埼歯だより(2000年 4月号、2001年 1月号)今井美行』