家族の健康を、
これからも。
家族の健康を、
これからも。
できるだけ「削らない・抜かない」を大切に、
予防・矯正・精密治療で
「歯とそこから始まる健康」を守ります。
精密根管治療
重度のむし歯は、これまでは抜歯が必要になるケースも多くありました。しかし現在では、根管治療を行うことで、歯を残せる可能性が広がっています。ただし、根管は非常に細く複雑な構造をしているため、処置の難易度が高く、十分に感染源を取り除けなかった場合には再発し、再治療が必要になることも少なくありません。
熊本市南区の歯医者「けやき通り歯科・矯正歯科」では、再発リスクを抑えるために精密根管治療に取り組んでいます。重度のむし歯でお悩みの方は、ぜひご相談ください。
近年、日本人のお口の健康意識は向上してきていますが、先進国と比較すると、まだ改善の余地があるといわれています。例えば、80歳時点で残っている歯の本数は、日本では平均12本程度であるのに対し、アメリカでは19本程度と報告されています。この差が生まれる背景には、主に以下の2つがあると考えられています。
参考:西日本新聞
日本では「痛くなってから歯医者に行く」という考え方がまだ一般的ですが、欧米では症状がなくても定期的に歯科医院でメインテナンスを受ける習慣が根付いています。
実際に、定期的に予防処置を受けている割合は
に対し、日本では約30%といわれています。
日本では比較的低コストで治療を受けられる一方で、使用できる材料や器具に制限があり、長期的な予後を重視した治療が難しい場合があります。
とくに問題とされているのが、根管治療の成功率です。東京医科歯科大学の調査では、治療後に歯根の先に膿の袋ができる割合は50%~70%と報告されています。つまり、成功率はおおよそ30%~50%程度と考えられています。
さらに、日本全国の統計では、初めて神経を取る治療よりも再治療のほうが多いという結果も出ています。
参考文献:わが国における歯内療法の現状と課題
このことからも、再発や再治療が多い現状がうかがえます。
一方で、欧米の専門医による根管治療では、より高い成功率が報告されています。
Bergenholtz, Orstavik 『Text book of Endodontology §14 Prognosis』
このように、根管治療は「どこで・どのように行うか」によって、結果に大きな差が出る治療です。当院では、マイクロスコープを用いて患部を拡大しながら治療を行うことで、肉眼では見えない細部まで確認し、感染源の取り残しを防ぐ精密な処置を行っています。再発リスクをできるだけ抑え、歯を長く残すための治療として、精密根管治療に力を入れています。
たとえば内臓の手術を行う際、不潔な環境で処置をすれば感染のリスクが高まり、治りが悪くなることは想像しやすいのではないでしょうか。実はお口の中にも多くの細菌が存在しており、その数は非常に多いといわれています。歯の神経は血液とつながる重要な組織であり、根管治療も内科的な処置と同様に、いかに清潔な環境で行うかが重要になります。
ラバーダム防湿とは、治療する歯だけを隔離し、唾液や細菌の侵入を防ぐための方法です。これにより、治療中の感染リスクを抑え、成功率の向上が期待できます。マイクロスコープでお口の中を拡大すると、多くの細菌が存在していることが確認できます。
ラバーダムに加え、隔壁や周囲のシーリングを行うことで、できる限り細菌の侵入を防ぎ、より精度の高い根管治療を行うことが可能になります。しかしながら、日本の歯科治療においては、根管治療時にラバーダム防湿が十分に普及しているとはいえないのが現状です。
その背景として、東京医科歯科大学の根管治療専門家である須田先生の報告でも示されているように、日本の保険診療では根管治療にかけられるコストや時間に制約があり、十分な設備や手技を取り入れにくいという事情があります。これは歯科医師の技量の問題ではなく、制度上の課題といえるでしょう。
日本の保険診療で広く使用されているステンレス製のファイルは硬さがあるため、複雑に湾曲した根管の内部まで十分に清掃することが難しい場合があります。
その結果、細菌が残存しやすく、
といった症状につながることがあります。
一方、ニッケルチタンファイルは柔軟性に優れており、複雑な形状の根管にも適合しやすいため、内部の汚れをより効率的に除去することが可能です。
肉眼では確認できない細部の汚れや感染源も、マイクロスコープを用いることで拡大視野下で確認しながら除去することができます。これにより、治療の精度を高めることが可能になります。
ただし、どれほど精密に処置を行っても、根管内の細菌を完全にゼロにすることは困難です。最終的な治癒には、体の免疫力と、どれだけ細菌量を減らせたかが大きく関係します。
そのため、できる限り感染源を減らすことが、根管治療成功の鍵となります。
けやき通り歯科・矯正歯科では、米国歯内療法専門医である松浦顯先生のもとで研修を受け、診断力および治療精度の向上に努めています。また、難易度の高い再根管治療や複雑な大臼歯の治療については、専門医と連携し、根管治療は専門医が担当し、その後の補綴治療は当院で行う体制を整えています。
さらに、通常の根管治療では改善が難しい根尖病巣や、器具の破折がある症例などに対しては、根尖切除といった外科的処置にも対応可能な専門医と連携しています。その後の歯を長持ちさせるための処置や補綴治療は当院で行い、総合的な治療を提供しています。
他院で抜歯と診断された歯や、何度治療しても改善しない症状であっても、保存できる可能性が残されているケースもあります。あきらめる前に、ぜひ一度ご相談ください。
松浦先生のホームページでは、他院で抜歯と診断されたケースや、治療を受けても痛みが改善しなかった症例など、多くの患者さまが改善へと導かれた事例が紹介されています。同様のお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度ご覧ください。なお、当院はかかりつけ医として、連携医療機関の一つにご紹介いただいております。
根管治療を終えた後の歯を、いかに再感染から守り、長く機能させるかのかが大切です。その鍵を握るのが、詰め物や被せ物の精度です。当院では、再治療のリスクを下げるために精密補綴に力を入れています。
精密補綴とは、マイクロスコープや歯科用CTといった高度な医療機器を駆使し、歯と補綴物の境界の隙間を極限まで小さくする治療法です。従来の治療、特に保険診療の銀歯では、経年劣化によりわずかな隙間ができて、そこから二次的なむし歯を起こすことが少なくありませんでした。
当院の精密補綴では、肉眼の最大20倍以上になるマイクロスコープの視野のもと、歯と補綴物を完璧に一体化させることにこだわります。
拡大視野で補綴物の装着を行うことで、細菌の侵入口となる隙間をなくします。
精密な接着剤を塗布する際にも、治療中の唾液混入を防ぐラバーダムを使用します。これにより、「唾液」や「呼気(湿気)」を完全に遮断し、外れにくく隙間のできない強固な固定が可能になります。
汚れが付きにくく、精密な加工に適したセラミックやジルコニアなどの素材をお選びいただけます。素材自体の収縮率も低いため、長期的に安定した適合を維持し、再感染のリスクを根本から減らせます。根管治療でせっかく歯を残しても、被せ物から再び細菌が侵入してしまっては意味がありません。精密補綴は、患者さんの大切な歯を最後の砦として守り抜くための、当院のこだわりです。
奥歯の根の周囲に膿の袋が確認され、押すと膿が排出される状態でした。
レントゲンでは、過去に神経の一部を除去する生活歯髄切断が行われた形跡が見られますが、内部の状態は不明瞭で、十分な処置がされていない可能性が考えられました。
レジンの詰め物にすき間が生じ、内部に薬剤の漏れや細菌の侵入が起きている状態でした。食べかすや汚れが溜まっており、二次感染のリスクが高い状態です。治療後の詰め物・被せ物の精度が重要であることがわかります。
ラバーダム防湿を行い、無菌的な環境を確保したうえで詰め物を除去すると、内部には多くの汚れが蓄積していました。
根管内にはススのような汚れが広がっており、時間をかけて丁寧に除去していきます。
薬液を適切に使用しながら、超音波器具なども併用して根管内を徹底的に洗浄・除菌します。ファイルを用いて根管の形状や深さを確認しながら、清掃範囲を正確に把握して治療を進めます。
根管内の清掃・消毒後、MTAを用いて最終的な根管充填を行いました。この時点で、膿の袋が小さくなり始めている様子が確認されました。
経過観察により、膿の袋は徐々に縮小し、良好な治癒傾向が認められました。状態の安定を確認した後、被せ物による補綴処置を行い、機能回復を図りました。
治療中や治療後に、一時的な痛みや腫れが生じる場合があります。症状の程度や経過には個人差があるため、治療前に十分な説明を行い、ご理解・ご同意をいただいて治療を進めていきます。