熊本市南区の歯医者「けやき通り歯科・矯正歯科」|精密根管治療

家族の健康を、

これからも。

できるだけ「削らない・抜かない」を大切に、

予防・矯正・精密治療で

「歯とそこから始まる健康」を守ります。

精密根管治療

「治療すること」ではなく、その歯をできるだけ長く残すために

根管治療は、歯の種類や根の形、感染の程度、初回治療か再根管治療かによって、難易度が大きく異なります。当院では、すべての根管治療を院内だけで完結させることにはこだわっていません。

私たちが大切にしているのは、「当院で治療できるかどうか」ではなく、「その歯を残すために、どこで、誰が、どのような治療を行うことがより適しているか」という考え方です。

当院で対応する場合もあれば、より専門性の高い治療をご提案する場合もあります。専門医による根管治療が終わった後は、当院で土台や被せ物などの補綴治療を行い、その後も継続して管理します。

根管治療は、
最初の治療がとても大切です

根管治療は、むし歯や外傷などによって歯の神経に強い炎症や感染が生じた場合に、歯の内部を清掃・消毒し、できるだけその歯を残すための治療です。

初回の根管治療には、炎症を起こした歯髄を取り除く「抜髄」や、これまで根管治療を受けていない感染した根管を清掃・消毒する治療などがあります。

一方、再根管治療とは、一度受けた根管治療をもう一度やり直す治療です。患者さんにとっては、「一度受けた神経の治療のやり直し」に当たります。再根管治療では、以前に入れられた根管充填材や土台を除去し、残っている感染部位や見つけにくい根管を確認しながら、再び根管内を清掃・消毒する必要があります。

そのため、初回の根管治療よりも難易度が高くなり、一般に治療成績も低下する傾向があります。だからこそ当院では、最初の根管治療をできるだけ適切な環境・方法で行い、治療のやり直しをできるだけ減らすことを大切にしています。

日本では非常に多くの
根管治療が行われています

東京医科歯科大学、現在の東京科学大学で歯内療法学を担当した須田英明元教授は、2011年の総説「わが国における歯内療法の現状と課題」の中で、日本における歯内療法の状況を報告しています。

2009年当時の保険診療請求データから推計すると、永久歯の抜髄:約600万件感染根管治療:約750万件合わせて、年間約1,350万件もの歯内療法が行われていました。

ここでいう「感染根管治療」には、初めて感染した根管を治療するケースと、過去の根管治療をやり直すケースの両方が含まれます。そのため、約750万件のすべてが「治療のやり直し」という意味ではありません。

一方、再根管治療とは、一度受けた根管治療をもう一度行う、いわば「神経の治療のやり直し」です。抜髄約600万件を上回る規模で約750万件もの感染根管治療が行われていたことは、日本で感染した根管に対する治療が非常に多く行われていたことを示しています。

もし初回の根管治療後に良好な状態を長く維持できる歯が増えれば、再根管治療という「治療のやり直し」が必要になる歯も減らせると考えられます。

歯の種類によっても、
根管治療後の状態に差がみられます

須田英明元教授らは、東京医科歯科大学むし歯外来を受診した患者さんのうち、過去に根管治療を受けた歯について、根の先の炎症を疑う根尖部X線透過像の有無を調査しています。

報告されたグラフでは、根尖部X線透過像が認められた割合は、おおよそ、

  • 前歯:約50〜70%
  • 小臼歯:約55〜60%
  • 大臼歯:約65%前後でした。

特に大臼歯では、根管の数が多く形態も複雑であることから、治療の難易度が高くなる傾向があります。ただし、この数字は根管治療の失敗率を直接示すものではありません。過去に根管治療を受けた歯の約50〜70%に根尖部X線透過像が認められていますが、これをそのまま「根管治療の失敗率50〜70%」と読み替えることはできません。

根尖部X線透過像には、治癒の途中にあるものなども含まれる可能性があるため、「根尖部X線透過像がある=根管治療の失敗」と単純に判断することはできません。

それでも、日本では非常に多くの根管治療が行われていること、過去に根管治療を受けた歯の相当数に根の先の炎症を疑う所見が認められていたことを合わせて考えると、初回の根管治療の質を高め、治療のやり直しをできるだけ減らすことが重要だと当院では考えています。
だからこそ、

  • 初回の根管治療の質を高めること
  • 治療のやり直しをできるだけ減らすこと
  • 難易度の高い症例では、より専門性の高い治療をご提案すること

を大切にしています。

出典:須田英明「わが国における歯内療法の現状と課題」日本歯内療法学会雑誌 32巻1号 1–10, 2011東京医科歯科大学大学院 歯髄生物学分野

アメリカで感じた
日本の根管治療への課題

約10年前、院長がアメリカの歯科医院を見学した際のことです。
現地で働いていた日本人の歯科衛生士さんから、「神経の治療がうまくいっていないなと思う歯を見ると、日本人の患者さんであることが多い」という話を聞きました。

もちろん、これは一人の歯科衛生士さんの臨床経験に基づく言葉であり、日本の根管治療全体を評価するものではありません。
しかし、歯科医師として大きなショックを受けました。須田英明元教授による日本の歯内療法の現状を示したデータとも重なり、「治療のやり直しを減らすためにも、最初の根管治療の質をもっと高めなければならない」と強く考えるきっかけになりました。

根管治療専門医との出会い

その後、インターネットで、米国で歯内療法を専門的に学ばれた松浦先生が帰国し、福岡で専門的な根管治療を始められることを知り、当院から連絡を取りました。そして、単に患者さんをご紹介するだけではなく、院長と当院の勤務医も、専門医から根管治療について直接トレーニングを受けました。

米国の歯内療法専門医は、歯科医師としての教育に加えて、歯内療法に特化した専門教育・研修を受け、多くの根管治療症例を経験しています。設備だけではなく、専門教育、診断力、治療経験、日常的に扱う症例数まで含めて専門性が形成されていることを、実際の研修を通して強く感じました。

そこで改めて考えるようになったのが、「すべての歯科医師が、すべての根管治療を同じように行う必要はない」ということです。当院でも、前歯・小臼歯・大臼歯の初回根管治療を保険診療で行うことは可能です。

また、前歯・小臼歯については、自費診療による院内治療にも対応しています。一方、難易度の高い症例では、歯内療法を専門的に行っている歯科医師による治療が、その歯を残すためにより適した選択となる場合があります。この経験が、現在の当院の専門医連携につながっています。

熊本で初めて、
米国根管治療専門医との連携を開始

当院は、熊本で初めて米国根管治療専門医との連携を開始した歯科医院です。
現在は、米国歯内療法専門医の松浦先生根管治療専門医の野間先生・牛島先生と連携しています。

私たちが大切にしているのは、「当院で治療できるかどうか」ではありません。当院で対応できる治療であっても、「できること」と「その歯にとって、より良い選択であること」は同じではありません。

その歯をできるだけ長く残すために、「どこで、誰が、どのような環境で治療することがより適しているか」まで考えて、治療方法をご提案しています。

当院と専門医の役割分担

当院では、初回根管治療についても、根管治療専門医による治療を第一選択としてご提案しています。

そのうえで、症例や患者さんのご希望に応じて、当院で対応できる治療については、保険診療または自費診療の選択肢をご説明します。

前歯・小臼歯の初回根管治療

前歯・小臼歯の初回根管治療についても、根管治療専門医による治療を第一選択としてご提案しています。患者さんが当院での治療を希望される場合には、自費診療・保険診療のいずれでも対応しています。

院内で治療する場合は、原則としてラバーダム防湿やニッケルチタンファイルを使用し、必要に応じてマイクロスコープや拡大鏡を用います。根管内の感染をできるだけ除去し、再感染のリスクをできるだけ減らすことを目指して治療します。

大臼歯の抜髄・初回根管治療

大臼歯は、根管の数が多く、形態も複雑なため、前歯や小臼歯と比較して治療難易度が高くなる傾向があります。そのため当院では、大臼歯の抜髄・初回根管治療についても、根管治療専門医による治療を第一選択としてご提案しています。

当院では、大臼歯の初回根管治療を自費診療としては行っていません。患者さんが保険診療による院内治療を希望される場合には、当院で対応します。その場合も、原則としてラバーダム防湿やニッケルチタンファイルを使用し、マイクロスコープについても症例に応じて使用します。

専門医による治療との違いや、それぞれのメリット・デメリットをご説明したうえで、患者さんと相談して治療方法を決めます。

再根管治療

再根管治療とは、一度受けた根管治療をもう一度やり直す治療です。患者さんにとっては、「神経の治療のやり直し」に当たります。再根管治療では、以前に入れられた根管充填材や土台の除去、感染部位の確認、見つけにくい根管への対応などが必要となり、初回根管治療より難易度が高くなります。

また、一般に再根管治療は、初回根管治療と比較して治療成績が低下する傾向があります。
そのため当院では、前歯・小臼歯・大臼歯を問わず、再根管治療は院内では行わず、根管治療専門医をご紹介しています。

院内での自費診療・保険診療ともに行っていません。専門医による治療をおすすめする理由や費用、通院回数などをご説明したうえで、患者さんと相談して治療方針を決めます。

高度な専門技術が必要な症例

以下のような症例については、院内では自費診療・保険診療ともに行わず、根管治療専門医による治療をおすすめします。

  • 根管内で破折した器具の除去
  • 穿孔への対応
  • 複雑な根管形態
  • 外科的歯内療法
  • その他、専門医による治療がより適していると判断した症例

抜歯と診断された歯でも、
専門医による診断をご提案できる場合があります

他院で抜歯と診断された歯や、何度根管治療を行っても症状が改善しない歯でも、専門的な診断や治療によって保存できる可能性が残されている場合があります。

もちろん、すべての歯を残せるわけではありません。しかし、歯を残せる可能性があると考えられる場合には、抜歯を決める前に根管治療専門医による診断をご提案することがあります。

福岡の専門医への通院は、
基本的に1〜2回程度です

「福岡まで何度も通わなければならないのでは?」と心配される患者さんもいらっしゃいます。
専門医による根管治療は症例にもよりますが、基本的には1〜2回程度の来院で根管治療が完了することが多くあります。

当院で保険診療として根管治療を行う場合は、3〜4回程度、症例によってはそれ以上の通院が必要になることがあります。治療回数が少ないこと自体が、必ず治療成績を高めるという意味ではありません。

一方で、治療を必要以上に分割せず計画的に進めることは、患者さんの通院負担を軽減できます。

また、治療と治療の間には仮封が必要になるため、治療期間を必要以上に長くしないことは、治療期間中の再汚染の機会をできるだけ減らすという点でも意味があります。専門医による根管治療が終了した後は、当院で土台や被せ物などの補綴治療、その後の継続管理を行います。

専門医へ紹介して終わりではなく、専門医と当院がそれぞれの役割を担いながら、その歯をできるだけ長く守ることを目指します。

当院で行う精密根管治療

当院で根管治療を行う症例についても、治療の精度を高め、再感染のリスクをできるだけ減らすために、一つひとつの工程を大切にしています。

マイクロスコープ・拡大鏡

根管は非常に細く、肉眼では確認しにくい部分があります。必要に応じてマイクロスコープや拡大鏡を使用し、根管内部を拡大して確認しながら治療を行います。

ただし、マイクロスコープはすべての症例で使用するものではなく、歯の状態や治療内容に応じて使用します。

ラバーダム防湿

根管治療では、治療中に唾液中の細菌が根管内へ入り込むことを、できるだけ防ぐことが重要です。当院で根管治療を行う場合は、原則としてラバーダム防湿を行い、治療する歯を口腔内から隔離した状態で治療します。

ニッケルチタンファイル

根管は直線ではなく、複雑に湾曲していることがあります。当院では原則として、柔軟性のあるニッケルチタンファイルを使用し、根管の形態をできるだけ保ちながら、根管内部の清掃・形成を行います。

根管内の洗浄・消毒

器具による根管形成だけで、根管内のすべての細菌や感染した組織を取り除くことは困難です。

そのため、薬液による洗浄や超音波器具などを組み合わせながら、根管内の細菌や感染した組織をできるだけ減らすことを目指します。

根管充填

根管内の清掃・消毒後は、再び細菌が入り込むリスクをできるだけ減らすため、根管内部を適切に封鎖することを目指して根管充填を行います。症例の状態に応じて、MTAなどの材料を使用する場合があります。

根管治療後の補綴も重要です

根管治療は、根の中だけを治療すれば終わりではありません。根管治療後の歯は、むし歯による歯質の喪失や過去の治療などによって、弱くなっている場合があります。

また、根管治療後に細菌が再び侵入するリスクを減らすためには、その後の土台や被せ物の精度も重要です。
当院では、根管治療後の歯についても、

  • 健康な歯質をできるだけ残すこと
  • 適切な土台を選択すること
  • 歯と詰め物・被せ物との境目をできるだけ精密に仕上げること
  • 適切な接着操作を行うこと
  • 噛み合わせを確認すること

を大切にしています。

根管治療とその後の補綴治療を別々に考えるのではなく、その歯をできるだけ長く使うための一連の治療として考えています。

院長が行った精密根管治療の症例

奥歯の根の周囲に、根の先の炎症を疑う像が認められ、歯ぐきを押すと膿が排出される状態でした。

レントゲンでは、過去に歯の神経の一部を除去する生活歯髄切断が行われた形跡が認められ、根管内部に感染が残存している可能性が考えられました。

歯に装着されていたレジンの詰め物にはすき間が生じ、内部には食べかすや汚れが蓄積していました。

ラバーダム防湿を行い、治療する歯を口腔内から隔離したうえで詰め物を除去すると、根管内部には多くの汚れが認められました。

薬液を適切に使用し、超音波器具なども併用しながら、根管内を洗浄・消毒しました。ファイルを用いて根管の形状や深さを確認しながら、必要な範囲の清掃・形成を行いました。

根管内の清掃・消毒後、症例の状態に合わせてMTAを用いた根管充填を行いました。その後の経過観察では、根の周囲の炎症を疑う像が徐々に縮小し、改善傾向が認められました。状態が安定していることを確認した後、被せ物による補綴処置を行い、噛む機能の回復を図りました。

※症例によって治療結果は異なり、同じ結果を保証するものではありません。

専門医との連携で
歯を残すための共同治療

当院では、専門医へ紹介して終わりではありません。
当院で診断・治療方針を検討
↓
松浦先生による専門的な根管治療
↓
当院で土台・被せ物などの補綴治療
↓
その後の継続管理
までを、一つの治療の流れとして考えています。

当院で対応できる症例は当院で治療し、より専門的な治療が必要な症例は専門医へお願いする。

そして、専門医による根管治療が終わった後は、再び当院でその歯を長く守るための治療と管理を行います。

※症例によって治療結果は異なり、治癒や歯の保存を保証するものではありません。

根管治療のリスク・副作用

根管治療中や治療後に、一時的な痛みや腫れが生じる場合があります。

歯の状態や感染の程度によっては、治療を行っても症状が改善しない場合や、外科的歯内療法または抜歯が必要になる場合があります。

根管が細い、湾曲している、石灰化しているなどの理由により、治療が困難になる場合があります。

治療器具が根管内で破折する可能性や、歯に穿孔が生じる可能性もあります。

また、根管治療後の歯は歯質が少なくなっていることが多く、将来的に歯根破折を起こす可能性があります。

治療結果や経過には個人差があるため、治療前に考えられる選択肢、メリット・デメリット、費用、通院回数などをご説明し、ご理解・ご同意をいただいたうえで治療を進めます。

自費(保険外)根管治療の料金

自費診療による根管治療の費用は、歯の種類や治療内容によって異なります。

また、根管治療の費用とは別に、土台や詰め物・被せ物などの補綴治療費が必要になります。詳しくは、自費(保険外)治療料金表をご確認ください。

私たちが目指しているのは、
「治療すること」ではなく「歯を残すこと」です

当院ですべての根管治療を行うことが、患者さんにとって最も良いとは限りません。初回根管治療では、専門医による治療を第一選択としてご提案します。

そのうえで、前歯・小臼歯は、院内で自費診療・保険診療に対応する。大臼歯は、院内では保険診療に対応する。再根管治療や高度な専門技術が必要な症例は、根管治療専門医へお願いする。専門医での治療後は、当院で補綴治療と継続管理を行う。

私たちが大切にしているのは、「どこで治療するか」ではなく、「その歯を残すために、どこで、誰が、どのような治療を行うことがより適しているか」という考え方です。

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